「美女と野獣」 ディズニーのアニメ版と実写のエマ・ワトソン版とクリストフ・ガンズ版を見比べた

 今月に入って、立て続けに「美女と野獣」の映画を3本見ました。

 

 そういうと、さぞかしこの話が好きなのだろうと思われるかも知れませんが、まったく逆で、すごく嫌いで、こんなくだらない話はないよなあと思っています。

 おとぎ話に真面目に突っ込むのもあれですが、こち亀の有名なシンデレラのエピソードがそうだったように、

 

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 この話も主人公のベルが美人でないとなりたたない話です。

 しかも、「シンデレラ」ならまだ、「本当は能力(美貌)があるにも関わらず、不幸な境遇のために理不尽な目にあっていたのを、魔法使いのアシストで、正当な待遇を受けることができた」という話なので、(好き嫌いは別にして)少なくとも筋は通っていると思うのです。

 

 しかし、「美女と野獣」の場合、そもそものメインテーマが「人間の価値を見かけだけで判断してはいけない、大事なのは内面なのだ」のはずなのに、実際に物語で起こっているのはことごとく、「※ただしイケメンに限る」というテーマと正反対の事象なのです。それどころか、「見かけが良くないといけないのは大前提。それに加えて、中身も良くないとダメ」という夢も希望もない物語になっています。

 

 醜い魔女に親切にしなかったために呪いをかけられ、野獣に姿を変えられてしまった王子は、結局、ベルという美女に恋をします。

 これでベルが十人並み以下の醜女だったら、話はわかるんですが、これでは王子が本当に反省していたのかどうかわかりません。

 

 ベルが王子を野獣の姿のまま愛したのはいいでしょう。

 しかし、どうして最後に野獣を王子の姿に戻してしまうのでしょう。

 これでは、物語そのものが「野獣みたいな醜い姿の男と結婚させたら、ベルがかわいそうだよね、やっぱりイケメンの王子様じゃなくっちゃね!」と暗に語っているようなものではないでしょうか。

 

 しかし、こんな欺瞞に満ちた物語であっても、客を感動させ、「良いものを見た」と思わせてこそ、エンタメ映画ってものです。

 


エマ・ワトソン 映画 『美女と野獣』 予告編

 

 最初に見たのは今、絶賛上映中で、大人気のこちら。

 字幕版で見ました。

 内容はほぼディズニーアニメ版準拠。

 大正義エマ・ワトソンでした。

 この人が出ているから、見てみようと思い、見たから、とりあえず満足、と思わせられるなんて、すごい才能です。

 


映画『美女と野獣』予告編

 

 テレビ放送していたので録画して視聴。

 てっきりディズニーアニメだと思って録画しておいたのですが、見てみると実写でびっくり。フランス映画と知って二度びっくり。

 いかにも地雷臭がする作品だったのですが、見てみると意外になかなか。

 さすが「美女と野獣」の本家だけあって、主人公のベルは、エマ・ワトソンよりこちらの方がイメージにあっているかも。

 まさにフランス人形のような綺麗な人で、衣装や調度品などのセンスが良いのもいかにもフランス映画といった感じで、結構楽しめました。

 なぜか巨人が出てきたり、時々出てくるCGがディズニー版よりチープで失笑ものですが、頑張っている感はありました。 

 美女と野獣の距離の縮まり方が少し不自然に感じましたが、テレビ放送なので、もしかすると大事な場面がカットされていたのかもしれません。

 ストーリー上あまり出てくる意味が感じられないベルの兄弟姉妹がたくさんいるのですが、これ、原作準拠みたいですね。

 たぶんいろいろディズニー版より原作に近いんだと思います。

 それが良い悪いは別にして。

 というわけで、映画自体も、悪くなかったです。

 ディズニーのようなミュージカル要素はないので、個人的にそこは良かったです。

 


美女と野獣(日本語音声)

 

 せっかくなので、10年以上前に、VHSで借りて、あまりのつまらなさに途中で見るのをやめてしまったディズニーアニメももう一度借りて見てみました。

 今回はストーリーがちゃんと頭に入っているので、最後まで見ることができました。

 基本、実写版と同じなのですが、ベルの父親の設定が違ったり、実写版だと野獣は王子の頃の教養がまだ残っていたのに、アニメ版は文字を読むのもギリギリという馬鹿、という風に違っていたりと、同じ部分、違う部分を見比べるのも面白かったです。

 

 ディズニー版の両方に共通するのですが、物語のしょうもなさをうやむやにする、音楽の素晴らしさ。

 これがこの作品の名作たる所以ですね。

 ところどころ、ミュージカル的な部分がストーリーのテンポを削いでしまった場面もないではなかったのですが、曲自体は良いものが多かったです。

 

 というわけで、主だった「美女と野獣」を3作まとめて見たので、改めて、「やっぱりこの話、嫌いだわ」と確信したしだいです。

バベルの塔を2Dと3Dで満喫 「バベルの塔」展@東京都美術館と「Study of BABEL」展@東京芸術大学

 

 先日、やっと行ってきました。「バベルの塔」展@東京都美術館

 

 

babel2017.jp

 

 

 

 入場前にNHK教育番組「日曜美術館」でも紹介されていた、大友克洋による「INSIDE BABEL」の展示コーナー。

www.cinra.net

 

 今回の展覧会は「バベルの塔」の一点豪華主義ですので、開場と同時に入場し、他の絵には見向きもせず出口近くの「バベルの塔」まで行って、人が少ないうちにゆっくり鑑賞、その後、入口まで戻って最初から順番に見ていけば、バッチリです。

 緻密さがウリの絵ですので、単眼鏡、双眼鏡などがあるなら、持っていくと良いですよ。

 そして、会場で上映されている数分のビデオ、これ、すごいですよ。

 CGで作成されたバベルの塔や、そこで働いている人が、色んな角度からぐいぐいズームしながら動いているんです。一見の価値あり。

 

 会場出口にてバベルの塔と東京タワーと通天閣の大きさ比較。

 通天閣ちっさ。

 

 ついにタラオとご対面。

 すね毛もバッチリ。

 

 前売り券とセット販売のオリジナルブックカバー。

 これは良いものでした。

 

 グッズが豊富に売られていて、どれもいいやつだらけで困ったのですが、ボスのキャラがいっぱい集まったバンダナを買いました。

 

 そして、今回の展示会に連動して、上野公園の近くにある東京芸術大学でもコラボイベントをやっていましたので、そちらにも。

 

www.geidai.ac.jp

 

 学内の一部のスペースで、ひっそりと展示されていました。

 

 すごい。

 

 近くで見ても質感がすばらしい。

 

 窓枠から人から、細かい。

 

 写真だとわかりにくいのですが、入り口の中の黒い部分は液晶で、CGの人が動いているんです。

 

 

 というわけで7/2まで、後、1ヶ月ほどやっています。

 大友克洋の作品や、東京芸術大学の方とも合わせて見れば、満足感もひとしおです。

ディズニー・アート展《いのちを吹き込む魔法》 | ディズニーアート2017と東京おもちゃショー2017

 今日は、5連敗中の日ハムと13連敗中の巨人というちょっと楽しみな対戦。

 

【悲報】巨人爆弾、とうとう日ハムに :日刊やきう速報

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 サッカーが代表ウィークで盛り上がっているから、野球も少しはね。

 ぜひ日本ハムは巨人を三タテにして、「巨人はロッテより弱い」と言ってやってほしいところです。

 

ディズニー・アート展《いのちを吹き込む魔法》 | ディズニーアート2017

 

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da2017.jp

 

 先日行ってきました。

 これはガチなやつです。

 アート展と銘打つだけあって、子供が喜びそうなキャラ人形を置いて、アニメを流して、作品のあらすじを説明して、というやつではなくて、原画やコンセプトアート、制作者側の資料や紹介が中心。

 

 私はディズニーファンでもなんでもなくて、子供の頃も自分から積極的にみたのは「わんぱくダック夢冒険」ぐらいでしたし、「美女と野獣」や「アラジン」を見て、つまらなかったので、それ以降ディズニーアニメはスルーしていたのですが(そういえば、トイストーリーも一応見たけれど、そこまでどうとも思わなかった)、「アナと雪の女王」を見て、ディズニーの進化に驚き、「ベイマックス」で感嘆してからディズニーに目覚めた超にわかなのですが、それでも楽しめました。

 現代アートが、わかる人にしかわからない、なんだか狭い世界の内輪で完結している今、本当の意味での現代アートって、ディズニーなのかも、と思ったり。

 オススメ、というよりむしろ、少しでも興味があったら、ぜひ行ったほうが良いよ、というレベル。

 後日、大阪にも巡回するみたいです。

 

東京おもちゃショー2017

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 ついでにこちらも行ってきました。

 時間にして30分ほどざっと会場を眺めた程度ですが。

 

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 大人向けトイ。

 ちょっといいかも。

 

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 うんこ漢字ドリルが流行っているぐらいだから、こういうのもひょっとしたらいけるかも!?