先日、「ビブリオ古書堂の事件手帖」の原作(小説)と、漫画を読んだ。
この作品を最初に知ったのは剛力彩芽主演のドラマ版。
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元々、ドラマの初回にサッカー日本代表の内田篤人がちょい役で出演するのと、主演が剛力彩芽というキャスティングが放送前からさんざん(悪い意味で)話題になっていたので、見ようと思ったのだが、古書を題材にしている作品なのもあって、なかなかおもしろくて、結局最後まで全部見てしまった。
しかし、このドラマ、原作を読んだことのあるファンには、とんでもなく評判の悪いドラマでもあったので、これは、ぜひ、原作も読んで確認してみようと思った次第。
ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)
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で、読んでみた感想。
ああ、確かにこれは原作ファン、怒るわ。
逆に、これだけダメなドラマ化でもそこそこ面白くなっていたところに、この小説の凄さを感じてしまった。
まずよく言われていることだが、主演の剛力彩芽。原作のキャラクターと真逆といってもいいキャラクターで、それだけで原作の雰囲気を見事にぶち壊してくれている。
自分の場合は原作を知らずに見たので、どう見てもあまり本をよく読むタイプにも、ものすごく頭がきれるようにも見えない剛力彩芽が、超読書家の物知りで、すごい推理をバシバシ披露するというギャップがなかなかおもしろかったので、このキャスティングは一概にダメだとも言えないと思うのだが、原作のファンなら納得いかなかっただろうなあ。
他にもドラマを見ていて「このキャラ、いるかなあ?」とか、「この登場人物の行動原理が不自然だなあ」とか、「それぐらいの根拠で推理するとか、無理がありすぎではないか?」とか、「喫茶店のシーンや登場人物がまるまるムダだなあ」とかいろいろ気になったものの、「しょせん、月九のドラマなんだからこの程度だろう」と軽く流していたダメなところが、どうやらかなりの部分、原作の改悪だったようだ。
月九ということで、それなりに名の通った俳優を揃えないといけないとか、月九を見る層のレベルにあわせた内容にしないといけないとか、作り手の側もいろいろ苦労があったのだろうと思うが、これはなかなかファンには腹立たしい映像化だっただろうなあ。
ただ、自分のように、ネットであまりにも叩かれているのでドラマに興味を持って見始めて、それがきっかけで原作まで読むようになった人間も確実にいると思うので、このようなマニアックな題材をあえて月九に持ってきた英断は支持したい。
ちなみに漫画の方は原作を極めて忠実に再現していて、小説では表現が難しい部分までうまく絵で補完できていて、なかなか良くできていると思う。
ビブリア古書堂の事件手帖 (1) (カドカワコミックス・エース)
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とはいえ、ドラマの方も、どうしようもない駄作というわけではなく、原作を知らなければ、本が好きな人にはなかなか楽しめる内容になっているので、もし興味があったら、ドラマ→小説→漫画の順番か、ドラマ→漫画→小説の順番で見ることをオススメしたい。
つまりはそういうことだ。