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最近読んだ本 紙の本編

そういえば最近、読んだ本(主に活字の本)についてほとんど書いていなかったので、久しぶりに振り返ってみます。

最近はあきらかに電子書籍の方がたくさん読んでいるのですが、今回は紙の本で読んだもの限定で。

 

少年H(上) (講談社文庫)

少年H(上) (講談社文庫)

 

 

少年H(下) (講談社文庫)

少年H(下) (講談社文庫)

 

 

昔、ハードカバーで一度読んだことがあったのですが、久しぶりに文庫で再読。

いかにも小中学生に夏休みの課題で読ませるような匂いのぷんぷんする本なので敬遠している人もいるかもしれませんが、そういうたぐいの教育的な本ではない名作ですよ。

妹尾河童の個性によるところが大きいのでしょうが、はだしのゲンのように反戦のメッセージやイデオロギーを前面におしだすことなく、戦中に起こったこと、体験したことにたいして子供なりになにが起こっているのか知ろうとし、考え、自分の判断で行動する少年H(妹尾河童)を通じて、その当時の空気感のようなものがなんとなくわかってきます。

決してみんながみんな「天皇陛下万歳」か「戦争絶対反対」のような極端な人たちだったわけではなく、大部分の人はある程度の事情を薄々わかっていながら、その時その時の自分の生活を現実と折り合いをつけながらやっていったのだというあたりのゆるい感じが、リアルでした。

 

剣の騎士 [永遠の戦士 コルム1] (ハヤカワ文庫SF)

剣の騎士 [永遠の戦士 コルム1] (ハヤカワ文庫SF)

 

いわゆるファンタジー小説の古典的名作。

いやー、おもしろかった。

実は私はこのファンタジー小説ってやつが洋の東西を問わず苦手で、別にファンタージーの世界が嫌いなわけではなく、ゲームなんかだと大好きなぐらいなのですが、どうにも小説で名作と呼ばれるものを読んでも相性が合わないのか面白いと思った試しがなく、ファンタジー小説を楽しむのは半ばあきらめていたのですが、これは大丈夫でした。

異界から魔物を召喚したりとか、倒した魔物が次回召喚できたりとか、どこかのゲームで使っていた設定はこれが元ネタなのかな?みたいなのも結構あったり、意外なものが後々重要な伏線になっていたりと、なかなか良く出来たお話でした。

 

抱擁力―なぜあの人には「初対面のキス」を許すのか

抱擁力―なぜあの人には「初対面のキス」を許すのか

 

 いやー、これは歴史に残る奇書でしたね。

 

止まった時計 麻原彰晃の三女・アーチャリーの手記

止まった時計 麻原彰晃の三女・アーチャリーの手記

 
止まった時計 麻原彰晃の三女・アーチャリーの手記

止まった時計 麻原彰晃の三女・アーチャリーの手記

 

あのアーチャリーも本を出すぐらい大きくなったのだから自分も年をとるはずです。

彼女自身、当時は子供だったので当たり前なのですが、オウム事件そのものよりも、事件後のオウム真理教がどのようになっていたのか、彼女はそれとどう関わってきたのかという話がメインで、もちろん彼女の言い分を100%信用するというわけにはいかないのですが、マスコミの情報がかなりいい加減だということに関してはおそらくそのとおりだろうと思うので、事件後、教団内部は実際にはどのようであったのかなど、いちいちなるほどなあという感じです。

ちなみにこの本によると、彼女自身は麻原逮捕後、かなり早い段階からオウム(アレフ)と距離をおいていたのですが、母親や上祐史浩などに名前だけ利用されて対外的に利用されていたそうです。

そんなこともあって、今は彼らとは絶縁状態とか。

本当かどうかはもちろんわからないのですが、さもありなんといったところでしょうか。

オウム真理教が大きくなる前の麻原(松本)一家の家庭の様子なども書かれていて、いろいろ興味深い本でした。

  

科学する麻雀 (講談社現代新書)

科学する麻雀 (講談社現代新書)

 

麻雀を確率論から分析した本。

こういうアプローチは当然あってしかるべきで、ここで結論として出されている勝つための最善の打ち方というのが、麻雀を打っていてうすうす感じる、でもあまりそういう風に打ちたくないなあというつまらない打ち方なのも、ある程度想像通り。

私は麻雀を打つ時に、楽しんで打つのを優先するタイプなので、こういうのを読んでもなかなかそういう風に打ちたいとは思えないから、あまり勝てないんだろうなあ。

 

デュマ『モンテ・クリスト伯』 2013年2月 (100分 de 名著)

デュマ『モンテ・クリスト伯』 2013年2月 (100分 de 名著)

 

これはすごく面白かった。

もともとテレビ番組の副読本という位置づけなのだけれど、番組の方は見ていなくても一切問題なし。

佐藤賢一というのは私が好きな作家の一人で、この人の場合、小説も面白いけれど、それ以上にヨーロッパの歴史の説明が上手なので、こういう本を書かせるのにはうってつけ。

それにしても「モンテ・クリスト伯」についても、作者のアレクサンドル・デュマについても自分はいかに何も知らなかったのかというのがよくわかった。

小説家という枠をはみ出た、めちゃくちゃ波乱万丈な面白い人だったのですね。

 

 

ユートピアの崩壊  ナウル共和国―世界一裕福な島国が最貧国に転落するまで

ユートピアの崩壊 ナウル共和国―世界一裕福な島国が最貧国に転落するまで

 

昔読んだ「アホウドリの糞でできた国ーナウル共和国物語」が面白かったので、こちらも読んでみた。

 

アホウドリの糞でできた国―ナウル共和国物語

アホウドリの糞でできた国―ナウル共和国物語

 

国の規模が小さいと、構造が単純になるので環境の変化で国そのものが簡単に変わってしまって不安定なのは仕方ないことだとは思うが、それにしても極端すぎる運命を辿った国の話。

宝くじが当たって一夜にして大金持ちになった人が、持ちなれない大金をうまく使えずに身を持ち崩して、結局一文無しに戻ってしまったというよくありそうな話を、国家レベルでリアルにやってしまったわけですね。

お金さえあれば国家の問題もだいたい解決してしまうのだけれど、その状態を永遠に続けるのは不可能なので、それではどうすれば良かったのか?という観点から見てもいろいろと教訓が得られて考えさせられました。

読んで面白くなかった本はあえて紹介しませんでしたが、それ以外にも先月、先々月ぐらいに読んでおもしろかった本が思った以上にたくさんあってなかなか終わらないので、今日はこのへんで。

つまりはそういうことだ。