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勝間和代「2週間で人生を取り戻す! 勝間式汚部屋脱出プログラム」(文藝春秋)

 私にとって不要な実用書のジャンルが2つあります。

 ダイエット本と片付け本です。

 にもかかわらず、どちらのジャンルも、おもしろそうな本があると、ついつい買ってしまいます。

 

 前者は、「痩せたいと思っている人は、こんなに努力しないといけないのか」ということを知るための興味本位(なにしろ健康診断のたびに備考欄に「痩せすぎ」とコメントがつくような体型ですので、ダイエットは全く不要なのです)、後者は自分では片付けができているつもりだけれど、もしかしたら、もっと良い方法があるのではないか、という好奇心によるものです。

 

 それとは別の話になるのですが、私は毎日発行されるメールマガジンを読んでいる程度には、勝間和代のファンです。

 

 この「ダイエット本好き」と「勝間和代ファン」が合わさり、以前、血迷って、こんな本を買ってしまったこともあります。

 

やせる!

やせる!

 

 

 間違いなく、私が読む必要のなかった本です。

 とは言え、一般論として、「痩せる ≒ 健康的な体を作る」と言えますので、自分にとって役に立つことも書いてあったんですけどね。 

 

 で、こんどは「片付け本好き」とあいまって、こんな本を読んでみました。

  

 

 勝間先生、本当にどんなジャンルにでも手を出してきますね。

 この節操のなさが素敵です。

 いやー、これがもう面白いんですよ。

 

 

 「はじめに」のしょっぱなからこれです。

 

  あるテレビ番組に出たときにも、私がなかなか家を片付けられないという話をしたら「それは、セックスをしていないし、愛が満ち足りていないからよ。だから、ものに頼るし、ものが片付けられないの」という指摘をカウンセラーさんから受け、あまりの的確な指摘に苦笑いしながら、さすがに「その通りです」とはいえずに恐縮していたのです。

 

 えええ…!?

 もうどこからツッコんでいいのかわかりません。

 こんな整理本が、かつてあったでしょうか?(反語)

 いったいこれは、どういう展開になるんだ?

 もう気になってページをめくる手がとまりませんw

 

 それに、勝間さんの元の部屋の状態と、持ち物の多さが尋常ではないので、それだけで一種のエンターテイメントになっています。

  • オートバイ5台、自転車10台、ヘルメット10個以上、キックボード10台
  • フィットネス器具も、ストッパーだけで3台、トランポリン、ほか「数え切れないほど」多数
  • タオル類だけで40〜50枚
  • 片付けをすると、家のあちこちから金券や現金が出てくる(一万円札も2枚見つかったそうです)

 などなど。

 いくら片付けができないにしても、物量がおかしいですw

 

 肝心の汚部屋脱出プログラムそのものは、きわめて常識的な内容で、悪く言えば、よくある片付け本の二番煎じなのですが、勝間和代にかかれば、例えば一世を風靡したこの

 

人生がときめく片づけの魔法

人生がときめく片づけの魔法

 

 

 でいうところの「ときめき」が、経済学用語を交えて

 

ものの価値は「効用」(ユーティリティ)と使用時間の長さで決まります。

 

  と身も蓋もない表現になります。

 

 他にも「逐次処理とバッチ処理」、「サンク・コストの罠」など、ビジネス書を読んでいる人にはおなじみの用語を使って、片付けの心がまえを説明してくれますので、人によっては「人生がときめく〜」より、こちらのほうが理解しやすいかもしれません。

 

 本書では、単に片付け方法を紹介するだけにとどまらず、その状態をいかに維持し、より生活を改善してクオリティを上げるためには、どうすればよいのか、そのために、どんなツールや機器を活用すればよいか、具体的に書かれていますので、後ろへいくほど、いつもの勝間本っぽくなってきます。

 

 例えば、片付けがリバウンドしないように心がける生活習慣の一つとして、「「消えない」プレゼントは受け取らない」とあります。

 私も似たような考え方なので、言いたいことはよくわかるんですが、なかなかここまで言い切れません。

 これぞ勝間和代の真骨頂。

 

 そんなこんなで、無事汚部屋を脱出して、この本まで一冊書き上げた勝間さんに、衝撃の結末が待っていました。

 

 アンビリバボー!

 

 なにが起こったかは本書を読んでのお楽しみ。 

 そう、ヒントは「はじめに」にあったのです。