ドラゴンクエスト7の感想

 年末年始にスマホドラクエがセールみたいですので、先日クリアした(エンディング後のおまけはスルー)「ドラゴンクエスト7 エデンの戦士たち」の感想でも。

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ちなみにセールの期間は2017年1月5日まで。

 

ドラゴンクエスト7の感想

 純粋にゲームとしては、1~9までの中で一番ダルい駄作。

 スマホ版はオリジナルよりもだいぶ親切になっていたり、ゲームバランスもヌルくなっているようだが、それでもダルい。

 まるでファイナルファンタジーのように、ガチガチに一本道で、フラグ立てのために住人の話を逐一聞かないと、イベントが発生せずに、すぐにつまってしまう。

 そこらへん、もっと適当でもなんとかなったのがドラクエの良さだったのに。

 いくらストーリー性を高めるためとはいえ、ここまで自由度が低いと、ドラクエの絵でファイナルファンタジーをしているような気がしてしまう(つまり、つまらないということだ)。

 そして評判の悪い石版集め。

 せいぜい20個程度集めさせられるのかと思ったら、とんでもない。まさか石版がこんなに大量にあるとは思わなかった。

 もうアホかと。

 それでなくてもちいさなメダルのためにあちこちのツボやタンスをチェックするタルい作業があるのに(ツボやタンスの探索は、たしか4から始まったと思うが、カジノも含めて、4では本当に余計な要素を追加してくれたものだ)、本編までこんなことをさせられて、楽しいはずがないだろう。

 一か所、どう考えても普通にプレイしていたら見つかるわけがないだろうというところに石版があったのもなんだかな、という感じだ(攻略サイトを見て見つけた)。

 他にも気になったのが、6から始まった職業別の熟練度システム。

 このシステムは、これまで以上にキャラを自由に育てられる楽しい要素でもあるので痛し痒しだが、本作に限らず6以降、レベルとは別に戦闘回数を重ねることによって上がるこの熟練度システムのせいで、ゲームバランスをとるのが非常に難しくなってしまった。

 私はこの手の熟練度をちまちま上げていろんなスキルをつけるのが好きなので、ゲームのかなり早い段階で強力なじゅもんや特技を覚えてしまい、中盤以降、楽勝すぎて、中ボスは瞬殺、ラスボスでも全然苦労しなくなってしまい、戦闘でのハラハラ・ドキドキがあまり感じられなくなってしまった。

 ラスボスなんて、まだあと1回ぐらい変身するだろうと思い、余力を残した省エネで戦っているうちに倒してしまった。

 後、これも本作に限らず6以降顕著なのだが、MPを使わずに複数攻撃できたり回復できたりする便利な特技が多く、相対的に魔法つかい系のキャラの存在意義が薄くなっているのも残念な点だ。

 そのMPも、回復するアイテムが容易に入手できるなど、全体的に親切すぎて、MPのリソース管理をする楽しみが過去の作品より減ってしまっている。

 と、ここまで文句を書き連ねたが、実はこのドラクエ7、結構気に入っている。

 5~9までの中では一番好きかもしれない(私の好きなシリーズの順番は現時点では3>2>4>7>1>5>9>8>6)。

 なにがいいって、シナリオが良かった。

 「善良な村人を困らせている悪いモンスターを倒せばそれで解決」といった単純なイベントは少なく、行く先々で人間の愚かさや業の深さを感じることのほうが多いので(ドラクエなのにw)、終わった後も記憶に残っているエピソードは多い。

 それまでのドラクエのお約束を少しはずした展開になっていて(逆に8は良くも悪くも思いっきり王道)、自由度を犠牲にした分、ストーリー性ではドラクエ屈指なのではなかろうか。

 主人公をはじめメインキャラクターも、しっかりキャラ立ちしていて良かったと思う。

 マリベルは、全シリーズのなかでも上位に入るぐらい良いキャラだと思うし、伝説の勇者様をじじいにするあたり、いかにもドラクエらしい。

 そして音楽も良かった。

 暗い話に合わせて暗い曲が多いのだが、それが郷愁を感じて良い。

 過去の世界のフィールドBGM「失われた世界」とか特に。

 クリア後、すぐにCDを買ってしまったといえば、どのぐらい気に入ったかわかってもらえるだろうか。

 

  

 CDを買ったのなんて何年ぶりだって話ですよ。 

 ドラクエで言うと、6まではCDを持っていたけれど、8と9は特に買おうとまでは思わなかったもんな。

 でも、7以降のドラクエは最初からオーケストラ風の音源なので、1から6までの時にあった「あの曲がオーケストラになるとこんなふうになるんだ!」という感動がないのがちょっと残念だった。

 

 …というわけで、ドラクエを1からリアルタイムで体験した世代の人でも、ドラクエ7はやっていないという人も、結構いるような気がするのですが、いまならスマホでできるので(私はiPadでしたが)、このセールの機会に試してみてはいかがでしょうか?

 正直、途中から終盤までかなりダルいけれど、私は最後までやってよかったと思いましたし、やる価値のある作品だと思います。