今週のお題「芸術の秋」 映画「ゴッホ 最後の手紙」 動く油絵アニメーションでゴッホの死の謎に迫るミステリー

今週のお題「芸術の秋」

ちょうど、はてなブログ今週のお題が芸術だったので、久しぶりにアート関連を。

 

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www.gogh-movie.jp


映画『ゴッホ ~最期の手紙~』日本版予告編

 

 見ての通り、油絵でアニメやってますw

 途方もない手間がかかるのが容易に想像できる、油絵によるアニメーションですので、予告を見て興味が湧いた人なら、見に行って損はないかと。

 

62,450枚からなる動く油絵!画家・古賀陽子さんが語る『ゴッホ~最期の手紙~』制作の裏側|ポーランドのアトリエに3ヵ月篭り580枚描く「絵に対する情熱の強さがゴッホの絵の魅力」 - 骰子の眼 - webDICE

 

 

 映画の冒頭に「この映画は100人以上の画家が参加しています」みたいなことが字幕で出てくるので、最初「おーすげー!」と思ったのですが、よくよく考えてみれば、アニメなんて、それが当たり前で、普通のアニメにいちいち「この映画は100人以上のアニメーターが云々」なんて言いませんよね…、いや、アニメよりいろいろ大変なのはわかるけれどさ。

 さすがに全編油絵というわけではなく、過去の回想シーンは実写っぽいです。

 

 この圧倒的な映像体験の前には、ストーリーなんて正直どうでもいいのですが、一応、自殺したと言われているゴッホの死の謎に迫るミステリー仕立てのお話になっています。

 これをわざわざ見ようという人に、ゴッホの人生や、彼の絵をあまり知らない人はいないとは思うのですが、主人公がゴッホの死の直前に関わった人たちに、彼の自殺直前の様子を聞いていくスタイルで話が進むので、これを見れば、ゴッホの人生を一通りトレースできます。

 ゴッホは本人の人生そのものも込みで、ゴッホという作品みたいなものなので、それを見ているだけでおもしろいのですが、この人のエピソードや周囲の人の証言を聞いていると、本当に教科書通りの典型的な発達障害の人っぽいです。

 逆にそう考えると、彼のすべての行動や発言が腑に落ちるというか。

 予告編の通り、彼が描いたタンギー爺さんなど、有名な肖像画の人物が、登場人物として多数出演します。

 背景もゴッホの名画そのままですので、これを見ると一通りゴッホがわかるという仕組み。

 

 で、肝心の映画としてはどうなのかというと、決してつまらなくはないのですが、ストーリーが今ひとつ盛り上がりに欠けるのと、画面の構図や演出が画一的で平板なので、退屈を感じるのは、覚悟しないといけませんw

 これを見ると、普段何気なく見ている、日本やディズニーのアニメの演出が、いかに洗練されているのかがわかります。

 

 この明らかにマイナー感ただよう作品、東京ですらやっているところは少ないのですが、私は御徒町のTOHOシネマズ上野で見ました。

 後で知ったのですが、ここ、今月オープンしたばかりだったんですね…。どうりで正直、大して大きくもなければ魅力も乏しい普通の百貨店なのに、妙に混雑しているなあと思ったわけですw

av.watch.impress.co.jp

 当たり前ですが、最新の自動券売機が充実していたり、座席も綺麗で立派だったりで、快適な映画館でした。

 

 ゴッホの絵が動く、という誰でも思いつきはしても、実現するためのハードルを考えると、なかなかやろうとは思えないことを成し遂げたこの作品(将来AIがもっと発達するれば、うまく省力化して、こういう作品を作ることができる未来は有り得そう、とも思いましたが)、その努力に敬意を表して、ぜひ映画館の大画面で見たいところです。

 そんなに長くやっているとも思えない映画ですので、気になった方は、早めに行ったほうが良いですよ。

 最後に、小ネタですが、吹替版ではゴーギャン役を落合福嗣君がやっていましたw