素晴らしき超常現象の世界 松尾貴史「なぜ宇宙人は地球に来ない?  笑う超常現象入門」

新書にて読了。kindle版もあるみたいだ。

なぜ宇宙人は地球に来ない? (PHP新書)

なぜ宇宙人は地球に来ない? (PHP新書)

副題にもあるように、オカルトや疑似科学、トンデモ論などをテーマにした雑誌のコラムを一冊にまとめた本。

一つ一つの項目は短いので、空き時間に気軽に読める。

UFO、超能力、怪奇現象はもちろん、占い、伝説、迷信などありとあらゆる超常現象にいちいちおもしろおかしくツッコミを入れているので、これを読めばそれがいかに馬鹿げたものであるかも含めてひと通りわかる。

この手の本というのは、面白がって読む人ほどそもそもこういうものに懐疑的な人だったりするので、本当に読むべき人の目に触れることがなかなかないというのがジレンマで、これを小学校の理科の副読本にでもできないものかとなかば本気で思ってしまう。

エセ科学もテーマの一つだからしてもちろん、血液型性格診断の非科学性についても取り上げられている。

どうしてこれがもっともらしく思えてしまうのかというと、これは他のあらゆる性格診断にも言えることだが、

1,誰にでも当てはまるような性格的特徴を挙げて、当たっているような気にさせるフリーサイズ効果

2,レッテルを貼ることによって、本当にそうであるような気がしてしまう、ラベリング効果。

3,当たっている部分だけが印象に残って、信奉してしまうインプリンティング効果。

という三要素によるものだそうだ。

そして、「批判力がなく、被暗示性が強く、権威に弱い人ほど急速にインプリンティングされてしまう」のだと。

なるほど。これは超常現象やエセ科学を信じてしまいがちな人全般に当てはまりそうな傾向だ。

つまりはそういうことだ。