東野圭吾「容疑者Xの献身」 最初から犯人がわかっている倒叙ものでありながら、最後まで真相がわからない本格ミステリ

  話題のポケモンGOは、さっそくインストールして、少し遊んでいるんですが、Nexus5の処理能力だと結構いっぱいいっぱいみたいで、たちあげるたびに結構待たされるし、すぐに通信が途切れるしで、ちょっと日常的に遊ぶのは、きつそうです。

 世界観がハードSF風で、それだけでやる気が出なかったIngressと比べると、だいぶとっつきやすくはあるんですけどね。

 とりあえず、最初のポケモンピカチュウ、現在レベル3です。

 

東野圭吾容疑者Xの献身

 久しぶりに本格ミステリというやつを読みましたよ。

 すっかりベストセラー作家におなりになられました東野圭吾先生の代表作。

 最近の国内ミステリオールタイムベストによく登場しているから、これは読んでおかないと、と思いまして。

容疑者Xの献身 (文春文庫)

容疑者Xの献身 (文春文庫)

 

 

 東野圭吾は好きな作家でしたので、初期の作品はそれなりに読んでいるはずですが、本作で直木賞を受賞したころには、読まなくなっていましたので、東野圭吾を読むのは久しぶりです。

 昔、「どうしてこんなにいい作品をいろいろ書いているのに今ひとつ人気が出ないんだろう」と思っていたのですが、いつの間にか、かつての赤川次郎内田康夫のごとき「普段本をあまり読まない人も、東野圭吾は読んでいる」ぐらいの超メジャー級ベストセラー作家になってしまわれました。

 うれしいような、残念なような複雑な気持ちではあるのですが、それはさておき。

 

 久しぶりに読んだ本作は、懐かしい、実に東野圭吾らしい作品でした。

 最初から犯人がわかっている倒叙ものでありながら、犯行に使われるトリックを読者に最後まで明かさないという離れ業でしっかり本格ミステリに仕上げてしまう技工の巧みさ!さすがです。

 丁寧で念入りな伏線もすばらしい。

 それ以上に、登場人物のほとんどが善良な人達で、彼らがそれぞれ、他人の幸せのために最善をつくしているにもかかわらず、悲劇的な結末になってしまうという展開の意地悪さが実に東野圭吾らしいですね!相変わらず意地悪な人だ(笑)。

 

 正直、オールタイムベスト上位にランクインするほど、名作ミステリの歴史の中において傑出しているかといわれると少し疑問ですが、よくできた上質なミステリであることに間違いはありません。