映画「ズートピア」を見た 「けものフレンズ」と比べると興味深かった

 昨日は、セレッソ大阪が14年ぶりにユアテックスタジアム仙台にて勝利しました。

 確かに、ベガルタ仙台には、クルピ時代も苦戦していたし、全然勝った思い出がないなあと思っていたのですが、そこまで勝てていなかったとは。

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 DAZNの実況も、試合前、試合中、試合後、「鬼門!鬼門!鬼門!」とうるさかったです。他に言うことはないのかと。

 まあ確かに大阪から見て、仙台は鬼門の方角だけどさ…。

 そしてこの試合で、久しぶりに先発して、柿谷にみごとなアシストを決めた清武が、また負傷交代。

 だんだんネタキャラ化してきました。

 毎年「ついに覚醒した!」と言われる杉本健勇ミドルシュートを豪快にはずしまくる山口蛍(しかし!なんとこの仙台戦で、年に一回は決めるミドルを決めました!)に続く、スペ体質の清武…。

 勘弁してください。

 ともあれ、これでセレッソは2位キープ。

 強いのお。

 うふふ。

 こんばんわ。

 

映画「ズートピア」を見た

 ブルーレイにて「ズートピア」視聴。


『ズートピア』予告編

 子供向けと言うにはあまりにもブラックで、よくできた傑作だと思います。

 ブルーレイにはボーナストラックとして、カットシーンやボツアイデア、当初の構想などがついていたので、それらもひと通り見たのですが、当初の構想ではもっと、重い世界観だったのですね。

 最近のディズニー(ピクサー)が、ヌルいお花畑的子供向けストーリーでは決してないのは知っていましたが、これはとりわけ重いです。

 差別や偏見、強い少数派に対する多数派の恐怖、などアメリカの作品なので余計に現実社会と重ね合わせていろいろ考えさせられるようになっています。

 まあ、そうは言っても、ディズニーですので、そんなこと気にせずとも、王道的展開を楽しむことももちろんできるんですけれどね。

 

けものフレンズ」と比べると興味深かった

 言うまでもなく「ズートピア」は擬人化した動物たちの物語なわけで、そうなると、同じく日本が誇るアニメ「けものフレンズ」といろいろ比較してみたくなるわけです。

 共通点は、どちらも、実際の野生動物の生態や特徴を綿密に調査して、それらをキャラクターに活かしているところです。

 ただ、同じようなアプローチでありながら、できたものは二作品で大きく違います。

 「ズートピア」では、キャラクターは、動物の姿そのままで、二足歩行で歩き、服を着ています。

 サイズは実際の動物のサイズとほぼ同じで、ネズミは小さいし、キリンや象は巨大です。

 それに対して「けものフレンズ」では、全ての動物が、人間と同じサイズに統一されています。

 見た目も、人間の女の子が動物のコスプレをしているようなデザインになっています。

 登場する動物の種類も、微妙に違い、ズートピアが人間以外の哺乳類限定なのに対して、けものフレンズでは人間もいますし、哺乳類以外も存在します。

 

 そしてなんといっても、違うのが世界観。

 180度逆と言って良いほど、違います。

 どちらも、基本、主人公が仲間と協力し、友情をはぐくみ、自身も成長することによって、困難を克服するという、教育的配慮が行き届いた、前向きなストーリーなので、その点は似ています。

 しかし、「ズートピア」は動物を擬人化することによって表現がマイルドになっているものの、動物たちの性格や行動は、現実社会と極めて近く、必ずしも善人ばかりではありません。

 舞台となっているズートピアも、理想郷では決してなく、現実社会の矛盾や醜さなどをきっちり盛り込んでいます。

 そして、主人公の奮闘によって、世界はいろいろな問題を抱えているけれど、それでも努力して、それを克服していけば、きっと世の中は今よりも良くなるという希望に満ちた力強いメッセージを見るものに与えてくれるのです。

 すばらしい。

 

 それに対して「けものフレンズ」は、全然違います。

 ご存知のように動物たちは、みんなお互いに違いを認めあって仲良く生きている理想郷です。

 とにかくヌルいw

 ここには狡知を持って人を陥れるようなキャラクターはでてきません。

 そして、明らかに自分たちとは無関係な異物、絶対悪の「セルリアン」をみんなで協力して倒すというわかりやすいストーリー。

 そこに迷いも、葛藤もまったくありません。

 ヌルいwヌルすぎるw

 しかし、そうやってお互いをリスペクトしあい、思いやる姿ばかり見せられるので、とにかく見ていて幸せな気持ちになれます。

 まるで麻薬のような心地よさです。

 みんな仲良く、お互いの個性を認めあおうね!

 すっごーい!たーのしーい!

 それだけです。

 

 どちらもCGを駆使したアニメーションという点で共通しているにも関わらず、見た目も好対照です。

 現代技術の粋を極めた美しいCGを披露する「ズートピア」と、1話を数分見ただけで、それ以上見るのをやめてしまった人も少なからずいたという、ゆるいクオリティの「けものフレンズ」。

 

 評論家が10人いたら、10人が「ズートピア」の方に高い評価を与えるでしょう。

 私だって「ズートピア」の方が名作で傑作だと思います。

 それぐらい作品として差はあると思います。

 

 でも、私は「けものフレンズ」の方が好きですし、心を打ち、面白いと思ってしまうのです。

 「ズートピア」はせいぜい、面白かったから、もう一回ぐらいは見てもいいかな、と思う程度の面白さなのに、「けものフレンズ」は、すでに通しで3回、好きな回はそれ以上に見ていますし、再放送が始まれば、おそらくまた見てしまうでしょう。

 単純に作品の出来の良し悪しを超えた魅力っていうものがあったんですよね、「けものフレンズ」には。

 実際、「ズートピア」が日本ですごく流行ったという話や、この映画がきっかけで動物園に人が増えたという話はまったく聞きませんし。

 

 この2作品が現代のアメリカと日本で作られた、というのも、考えすぎかもしれませんが、それぞれの国や社会で、切実に求められているものの違いが表れているのかな?と思ったりしました。

 

 最後に、テーマ曲のデキは、「けものフレンズ」の圧勝!

 異論は認めません。