映画「若おかみは小学生!」見ました
今、ネット各所で絶賛盛り上がり中の「若おかみは小学生!」を見ました。
「万引き家族」や「映画を止めるな」といい、今年はそんな大作でもないのに口コミで盛り上がる系の映画が多いような気がしますが、気のせいかな。
脚本がガルパンや聲の形の吉田玲子だったので、まあ間違いないだろうと思っていたのですが、手堅く良かったです。
よくある話なので、ネットの評判で、見る前から過度にハードルを上げすぎないほうがいいとは思います。
もしかしたら今年のアニメ作品ではナンバー・ワンになるかもしれないけれど、日本映画全体からしたら、いくつかある優秀な作品の一つぐらい。
わずか90分ほどの映画なのに、そう感じさせないほど中身のつまったよくできた映画でした。
脚本について
私は見ながら、以前読んだこの本↓
- 作者: ブレイク・スナイダー,菊池淳子
- 出版社/メーカー: フィルムアート社
- 発売日: 2010/10/22
- メディア: 単行本
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のことを思い浮かべて、今はこういう場面で、この場面にはこういう意味があって、そろそろ次はこういう展開が来るはずで…、というようなことを考えて先を予測しながら見ていたのですが、あまりにもそのままだったので、びっくりしました。
まるでこの本をなぞって、脚本を書いたのかな?と言いたくなるぐらい。
やっぱりこの本、すごいわ。
もちろん、セオリーを守れば何でも傑作になるってわけでもないので、スタッフがすばらしいのは言うまでもないのですが。
ガルパンなんかも見てて、こっちが恥ずかしくなるぐらいベタな王道でしたし、おもしろくするために大事なのは大枠ではなくて、ディティールなんでしょうね。
この本を教科書に脚本を教える教室がもしあったら、その教材にぴったりな映画だと思いました。
実際これで、面白くなって、多くの人の心を動かすのに成功してるわけですからね。
余談
これは批判とかではなくて、素朴な疑問なんですが、この映画、登場人物が洋服を買いに行って、色んな服をあれこれ試着する、ファッションショーみたいなシーンがあります。
よくあるシーンっちゃあ、よくあるシーンなんですけど、
このシーン、いるのかな?
たった90分しかない映画でここで尺をとるほど重要なのかな?
あることによってどういう効果があるんだろう?
なかった場合、作品からどういう要素が失われてしまうんだろう?
いろいろ考えてみたのですが、自分の中で納得いく回答が出せませんでした。
これが、もっと大きなお友だち向けの萌アニメとかなら、ファンサービス的な意味で、こういうシーンを入れるのはわかるんですよ。
そういうシーンのあるアニメなんていくらでもあってめずらしいものでもないし。
でもこのアニメの対象とする客層や、厳しい時間制限の中、これを入れる意味ってあったのかな?
それならもっと終盤にシーンを増やしたほうがよかったんじゃないかな?
とか思ってしまいましたが、どうなんでしょうね。
ものすごくがっちり作り込まれている作品なだけに、余計に気になってしまいました。
最後に
なんか斜めに見たような感想ばっかり言っているような気がしますが、そういう映画だとわかっていても、普通に泣けました。
序盤の展開からして、そらわかってても泣かされるわな、というやつです。
ずるいわ、これはw