誕生日 山田風太郎「人間臨終図鑑」 「デザイナーじゃないのに!」

 最近、誕生日を迎え、45歳になりました。

 いつからだったか忘れましたが、たぶん、ここ十年ぐらいの習慣で、誕生日を迎えると、手元の山田風太郎「人間臨終図鑑」を手に取り、その年になくなった人物を確認しています。

 このぐらいの年になると、死んでしまった有名人が少しずつ増えてきます。

 一家に一冊、「人間臨終図鑑」。

 

 有名どころだけあげても、45歳で死んだのは、

 

 ヨハン・シュトラウス(父)

 井伊直弼

 大村益次郎

 二葉亭四迷

 ラスプーチン

 有島武郎

 小栗虫太郎(長野へ疎開中に、村の酒屋で飲んだ焼酎にメチルアルコールが入っていたため急逝)

 三島由紀夫

 

 とそうそうたる面々。

 

 小栗虫太郎、すごく昔の作家のイメージがあったけれど、江戸川乱歩より年下だったんですね。

 三島由紀夫司馬遼太郎と2つしか年が違わないのとかもそうですが、早死した作家は時代の感覚が狂ってしまいます。

 

 年齢的に、事故や自殺、殺害などによる死が多いですが、自分だってどうなるかわかりません。

 この年になると誕生日は、祝うものというよりも、まがりなりにも、ここまで生きてこられたことへの感謝と、今後いつまでも生きていられる保証もないのだということを、改めて確認する日のようなものになりつつあります。

 

 いいかげん、いい年になってしまいましたが、最近亡くなられた藤子不二雄A先生のインタビュー番組の再放送で、80代のA先生が「若い40代の子と話して、刺激や活力をもらっている」みたいなことを言われていたのを聞いて、そうだ、まだまだ自分も高齢者から見れば、若いし、刺激や活力を「与える」側なんだ、と少し元気をもらえました。物は考えようですね。

 

「デザイナーじゃないのに!」

 

 最近読んだ本で良かった本。

 これ、すごいです。

 最近、ちょっとした、デザインのノウハウ本ブームみたいなのが、あるように感じるのですが、ああいう本って、読んでみたら、役に立つ気がしないものが多いんですよね。本気でデザイナーを目指す人以外はお呼びでない感じで。

 

 抽象的でそれっぽいキーフレーズと、beforeとafterのデザイン例が載っていたりして、確かにこうすればおしゃれになる、というのはわかるけれど、afterが高度すぎて、どうせこんな風になんて、できねえよ、みたいなのばっかりで。

 

 でも、この本は、題名通り、本当にデザインを勉強する気がない人が読んでも、役に立つと思います。

 クソださデザインを、ちょっとましにする、というところから本当にちょっとずつ、具体的、かつ誰にでも実践できるレベルまで落とし込んでわかりやすく説明してくれるので、再現性が高い。

 デザインに縁がない人でも、日常の何気ないところで十分役に立ちそうな内容ですし、これをきっかけに、デザインをもう少し深く学ぶ、みたいな気にもさせてくれる、良書です。

 基本、マンガなので、一日で読めてしまう手軽さも含め、これは当たりでした。

 マンガとしても、すごく読みやすいつくりになっているのも、さすがでした。