ネットで部屋を探すということ

引越しをした

こんな記事があった。

家賃が下がる4〜6月は引っ越しの狙い目?物件探しで失敗しないためのテクニック

実は私もちょうど4月に部屋を探して引っ越したところだったので、この記事を興味深く読んだ。特に、「終電を逃しても歩いて帰れるように仕事場から徒歩1時間圏内」という条件は自分にはない発想だったので眼から鱗だった。

自分なら、そんなところに住んでしまったら終電を理由に帰ったりできなくなってしまうから、絶対選ばないなあ。

で、今日は引越しの話を。

自分は引越しをよくする方だと思う。ここ15年ほど、同じ場所に2年以上住んだことがない。

大阪と東京だけで5〜6回は引越ししていると思う。他には京都に1回と上海で2回。

そういうわけで、わりと部屋探しも慣れているのだが、今回は初めてネットの不動産サイトを活用して、部屋を探してみようと思い立った。昔と違い、ネットの不動産情報サイトはいくつもあり、物件も充実しているので、そろそろ部屋もネットで探したほうが効率がいい時代になっているかもしれないと期待したからだ。

今までは、先にどこらへんに住みたいのかを決めて、現地の不動産屋を適当に選んで飛び込む、ということをやっていたのだが、今回は不動産屋をまわる一ヶ月前から入念にネットでいろいろな地域、部屋をチェックしてから不動産屋にコンタクトをとった。

物件の空きが出てくる3月ではなく4月に部屋を探したのは、この記事にもあるようにピークを避けたほうが家賃交渉がしやすくなるかな?と思ったからなのだが、まあ、みごとにどこも下げてくれなかった。

大阪だと部屋を借りる時、値切るのが当たり前だったのだが、東京では大家さんが最初から値下げの余地を残していないみたいだ。あるいはネットで家賃を出す関係で、他と比較されるので最初から最安値を表示せざるを得ないのかもしれない。

で、ネットで物件をしっかりチェックしてから不動産屋へ行って、今までと比べてどうだったかというと。

ネットは部屋探しの役に立たない

ネットであらかじめ物件をピックアップするのって、本当に意味がない、とつくづく思った。

いちいち数は数えていないがそれなりの数の物件を候補に選んで「このあたりのどれかだったらOKだな」と、それらの物件を紹介している不動産屋を一件一件、訪れたのだが、まあその期待はずれなこと。

前知識として、ネットでは破格の条件のダミー物件や存在しない空物件を載せて客を集めることがあるとは知っていたが、それにしてもダミーが多すぎ。ここまでネットの物件情報が役に立たないとは。

だいたいパターンとしては

  • 問い合わせた物件は、すでに別の人に決まってしまった(ネット上で公開している以上、好条件の物件ほどみんな取り合いになるのは当然で、一概にそれがダミー物件だったとは言い切れないが、こちらからしたらどちらでも同じことだ)
  • ネットではわからない部分で致命的な欠陥がある(実は洗濯機が置けない、隣に問題のある人が住んでいる、実は家が線路のすぐそば、など)
  • 物件情報のスペックと実際のスペックが微妙に違う(たいてい悪い方に違う。徒歩〜分が実際はもっと遠かったり、〜畳とか〜m3などの面積が実際見ると、感覚的にもっと狭く感じる)
  • 実は別のところで追加料金がいろいろ高い(家賃や管理費だけみると安いのだが、よくよく聞いてみると水道代が固定で高かったり、鍵交換代や部屋のクリーニングなどが不自然に高かったり、火災保険が相場より高い、定期借家(一定期間過ぎると家賃が跳ね上がったり、更新を拒否される恐れがある)だったり、必ず保証会社を使わないといけないなど)

などなど。

で、結局、どの不動産屋も言うことは同じで「ネットでは載せていない、業者が使っている独自の不動産ネットワークで探しますね」となり、別の物件を一から見ていくことになる。

おい、それなら最初からネットに不動産情報なんか載せるなよ。

もちろん、最初に調べておいたような希望条件の物件はほとんどでてこない。

そういうわけで、結局不動産屋を6件もまわるはめになったのだが、最終的には、従来のやり方で、住みたい場所へ直接赴き、大手業者ではなくて、地元の不動産屋さんっぽいところへひょいと飛び込んで条件を伝えたら、いい物件を1件だけ紹介してくれて、そこを内見して一発で決まってしまった。

そこはそれまでの大手や中堅の不動産屋さんと違って、入居日や、鍵の受け渡し日などいろいろ融通してくれたし(普通は入居日当日じゃないと鍵はもらえないケースがほとんどなのだが、今回は二日前に受け取ることができたので、引越しがスムーズにできた)、鍵交換代は取らないし、保証人関係もうるさいことを言われず、諸費用も低め。今まで他の業者で散々苦労して探していたのはなんだったんだ、というぐらい、いろいろスムーズにいった。

終わりよければすべてよし

結果的には、当初想定していたイメージをはるかに上回る条件の、理想にかなり近い部屋だったので、大満足。

もちろん、これは単なる一例に過ぎないし、自分の場合、予算も条件も東京の家賃相場と比べてかなりきついラインで探しているので、もっと常識的な予算で部屋を探すなら、ネットを使ったり、大手業者で探すのも有効なのかもしれない。

なのでこの話は、低予算で部屋を探そうと思っている人なら、参考になるのではなかろうかと思う。

つまりはそういうことだ。