佐藤優「嫉妬と自己愛 『負の感情』を制した者だけが生き残れる」と、その本で紹介されている諸作品

  最近読んだ本。

 

 「嫉妬」は、これまでにも多く語られていると思いますが、「自己愛」は、最近クローズアップされつつある概念であり、そういえば、これまであんまり考えたことなかったかな~という感じで、興味深く読みました。

 

 ちなみに本書で著者は、現在の35歳前後を境に、それより上の世代は「嫉妬」、下の世代は「自己愛」の感情の強い人が目立っている、と述べています。

 社会が右肩上がりのうちは、向上心の歪んだ形として、自分があるべき場所に他人が立っていることに対して「嫉妬」することもあったが、停滞して、上へ行く見込みがないと感じる人が増えると、感情の行き先が内なる「自己愛」に向かう、っていう分析は、あり得るかな、と思いましたね。

 

 本書では、そういった「嫉妬」と「自己愛」を語る上でのサンプルに文学作品や映画をとりあげて、その登場人物の造形から、これらの感情や、社会状況なんかを考察している、という、ちょっとおもしろい試みをしています。

 せっかくですので、どういう作品をとりあげているのかを、メモ代わりにここに紹介しておきますね。

 

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ (講談社文庫)

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ (講談社文庫)

 

  「自己愛」について。

 女性作家の描く、女性の自己愛の醜さとか、絶対おもしろそうですよね。

 機会があれば読んでみたいと思いました。

 

ウォーク・イン・クローゼット (講談社文庫)

ウォーク・イン・クローゼット (講談社文庫)

 

  本文庫収録の「いなか、の、すとーかー」が紹介されていました。

 ストーカーなんて、自己愛の最たるものですもんね。

 

嫉妬の世界史 (新潮新書)

嫉妬の世界史 (新潮新書)

 

  こちらは「嫉妬」の事例。

 どちらかというと、嫉妬のほうが、イメージしやすいかな。

 

それから

それから

 

  有名な文学作品ですね。こちらも「嫉妬」の感情が身を滅ぼす事例だそうです。なんか夏目漱石のここらへんの前後期三部作は、どれも似たようなものが多いような気が…。

 

 

ナイルパーチの女子会

ナイルパーチの女子会

 

  専業主婦とバリキャリの女性二人が出てくる、「自己愛」の強いこまったさんの小説みたいです。

 これもおもしろそう。

 

コンビニ人間

コンビニ人間

 

  唯一、これは私も読んだことのある作品です。

 佐藤優はこの作品を「嫉妬」も「自己愛」も皆無の人間を描いている稀有な作品とし、時代が「嫉妬」や「自己愛」から、さらに一歩先に進んだのを感じているみたいです。

 

 余談ですが、芥川賞受賞作といえば、だいたいつまらない作品なのが普通ですが(どうしてつまらない作品ばかり選ばれるのかといえば、選考委員の顔ぶれをみれば、だいたい想像がつくと思います)、これは例外的に面白いです。

 

 つづいて紹介された映画がこの2作です。

 どうしてこの2作なのかといえば、監督の井口 奈己と佐藤優の対談が本書に収録されているからなんですよね。

 


人のセックスを笑うな 永作博美 松山ケンイチ


映画『ニシノユキヒコの恋と冒険』予告編

 

 偶然なのか意図的なのか知りませんが、女性作家による作品が圧倒的に多いですね。

 

 ちなみに「嫉妬」といえば、日本の成人男性の65%ぐらいは、こちらの作品から「男の嫉妬」に関する教訓を学んでいるものだと勝手に想像しています。

 

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 嫉妬は我が身を滅ぼすことにもなりかねないので、ほどほどにしましょう。

 

 ノーモア、落鳳坡!

たつき監督を返して

 9月24日の日曜日に、幕張メッセのイベントチケット(10月7日分)を購入した翌日に事件は起こりました…。

 

matsuri-kf-garden.jp

 

 

 はあ!?

 

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 あまりにも突然の告知に、ショックを受けた、けもフレ民(イメージ)

 

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 カドカワの無能上層部(イメージ)

 

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 なんか、けものフレンズに対する思いが、一気に冷えてしまいました(イメージ)

 

 幕張まで行くのが、面倒くさくなってくるレベル。

 発表があと2日早ければ、チケットも買わなかったのに…。

 

 こうなって初めて、自分はこの「けものフレンズ」というアニメそのものだけではなくて、無名だった製作者やスタッフが、それを支持して応援するファンたちによって、作品と共に育ち、より大きくなって社会現象化していくという、現代のおとぎ話のようなサクセスストーリー込みで、好きだったのだと思い知らされました。

 

 2期が今後どうなっていくのか、まだわかりませんが、少しでもましな着地を望んでおります。

 

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今の気持ち(イメージ)

 

Jリーグ第27節セレッソ大阪はベガルタ仙台に1-4で敗れる 第27節を終えてJリーグを概観してみる

Jリーグ第27節セレッソ大阪ベガルタ仙台に1-4で敗れる

 今朝、DAZNで昨日あったセレッソ大阪ベガルタ仙台の試合を見ました。

 1-4という、それこそ3月の浦和戦以来じゃないかというぐらいの大敗北。

 私は今シーズン、セレッソ大阪のリーグ戦は現地にせよ、DAZNにせよ、だいたいリアルタイムで見ているのですが、過去、2試合だけ、アウェイの柏レイソル戦と、同じくアウェイのサンフレッチェ広島戦だけ、都合がつかずに見られませんでした。

 その2試合が、見事に両方負け試合だったので、昨日試合を見られなかった今回もなんとなく嫌な予感はしていたのですが、本当に負けていたとは…。

 やっぱりオレが見ないとだめだな!セレッソは!

 しかし、下位にポロポロ取りこぼすあたり、やっぱり勢いで取り繕ってきたチームだな、という感じですね。清水、広島、仙台に負けてたら、そりゃ上位は無理だわ。

 本当に強いチームだと、たとえ調子が悪くて、下位チーム相手に噛み合わなかったりしたときでも、最低限、引き分けにもちこんで、傷を浅くするものなのですが、それができないのは、典型的な、「終わってみれば中位」のチームですね。

 まあ、メンバー的にもそれが妥当ではあります。

 で、この仙台戦ですが、なんというか、あー、こういう試合、去年J2でいっぱい見たわー、っていう試合でしたね。

 まるでユン・ジョンファンに大熊がのりうつったかのような…。

 試合序盤~30分ぐらい、ノリノリで攻めて攻めて攻めまくる、パスパスパスパス…、細かい所のパスも通しまくって、思う存分個々の技術の差やチーム力の差を見せつける、がしかし、点が入らない。

 前半終了間際。

 ほとんどチャンスがなかった仙台が、少ないチャンスをものにして、先制する。

 後半。

 前半飛ばしすぎた疲れからか、セレッソの攻めが、勢いを失う。

 パスカットされることも多くなり、思うように責められないセレッソ

 前半あれだけ目立っていた杉本健勇が消える…、あれ、デジャブが…。

 仙台は、その後も少ないチャンスを確実に決めて、点差を広げる。

 セレッソはリードされると、セットプレーじゃないと、なかなか点取れないチームなのですが、この試合、審判がセレッソに辛く、なかなかFKを与えてもらえませんでしたので、なおさらきつかったです。

 とてもホームとは思えないジャッジ。

 監督も、もうちょっと選手交代で攻撃のリズムを変えるなり、なんらかの悪あがきはしても良かったんじゃないかな、とは思いましたね。

 清武が万全ではないので、他に攻撃の選手といったら、J2レベルの選手しか手駒にいないので、監督からしても難しかった、というのもわかるのですが…。

 次節は川崎フロンターレ

 強敵ですが、セレッソの場合、ある程度攻めてくれる相手の方がやりやすいというのはあるので、どうにか勝ってほしいところです。

 そろそろ清武が出てきてもいいんじゃないのかな…?

 

第27節を終えてJリーグを概観してみる

 中途半端ではありますが、Jリーグ34節中、27節を消化して、すでに第4コーナーを回って最後の直線に入った感のある今年のリーグ戦、各チームの印象と今後の展望をつらつらと述べていきたいと思います。

 順位は27節終了時点でのものです。

 

1位 鹿島アントラーズ

 大正義鹿島アントラーズ。リーグ戦の優勝はすでに決まりでしょう(断言)

 今年の開幕前予想でも、私は鹿島の1位を予想して、こんな風に書いています。

 

 今年ぐらい、優勝予想がここしかいない、という年も、戦力が均衡しているJリーグではめずらしいんじゃあないかと思います。

 CWCでの選手の経験値アップや、レオ・シルバをはじめとする補強の豪華さ、実は有能だった石井監督など、普通に予想すると、鹿島以外考えにくいです。

 

 まさか石井監督が解任されるとは思いませんでしたが(ACL敗退は、内弁慶の鹿島なので想定の範囲内w)、完全に独走態勢に入っています。

 

2位  川崎フロンターレ

 監督が替わり、大久保もチームを去り、家長がフィットするとも思えず、と今年の川崎は苦戦すると予想していたのですが、ひょっとしたら去年より強いんじゃないか?というぐらい好調です(ACLは、らしくて笑いましたが)

 今年はリーグ優勝はともかく、ルヴァンか天皇杯を取りそうな勢いですよね。

 

3位 柏レイソル

 今をもってもなお、どうしてここまで強いのか、理解に苦しみます。若手の台頭、外国人が当たり、などポジティブ要素があるのはわかるのですが、それにしても、チームとして噛み合いすぎていて、怖いです。

 ひょっとして、監督が優秀?

 

4位  セレッソ大阪

 2連敗してなお、この順位。

 4位でも、出来過ぎでしょう。

 杉本健勇の覚醒は嬉しすぎる誤算でしたが、二番手以下のFWのレベルが低すぎるので、彼の調子が落ちると、セットプレーからしか点が取れないチームになってしまいます。

 後は、ソウザと山口蛍のミドルだのみかw

 今はまだどうにか踏ん張っていますが、まだ落ちる可能性十分なので、気を引き締めてやっていってほしいです。

 清武の復帰は明るいニュースなのですが、実のところセレッソに2列目の選手は十分に足りていて、清武は、1人でフィニッシュまでもっていくタイプではないですし、プレースキックも上手い選手はチームにすでに数人いますので、清武が入ったからと言って、それほど急激な戦力上昇にはならないとは思いますが、私のそんな予想を覆す活躍を期待します。

 もうリーグ優勝は絶望ですが、3位ならまだ十分狙えるし、それ以上に初タイトルが欲しいので、ルヴァンか天皇杯をぜひ。

 

5位  横浜F・マリノス

 去年のオフでゴタゴタしていたので、降格コースかと思いきや、強い。

 扇原貴宏が復活しているのは嬉しい限りですが、おそらく後ろの中澤のおかげでしょうね。

 セレッソは、このチームよりは上でフィニッシュしないといけません。

 

6 位 ジュビロ磐田

 中村俊輔の加入で、非常に魅力的なチームに生まれ変わりました。

 まだ上は狙えそうですし、6位以上は確定かな。

 

7位 浦和レッズ

 どうしてこうなったw

 広島組の賞味期限切れ感が半端ないので、

 今シーズンオフに大リストラを敢行して、チームを一新しないと、来年も中位かも。

 ACLだけ応援するので、今年はACLに全力でお願いします。

 

8位 ガンバ大阪

 セレッソと戦うときだけ超強いのに、他ではお笑いの今年のガンバ。

 相性ってあるんですね。

 ルヴァン杯でまた戦うことになりましたが、次こそはリベンジしたいです。

 

9位 サガン鳥栖

 地味に強い、今年のサガン鳥栖

 スポンサーがついて、昔の低予算弱小チームではないので当たり前なのですが。

 でも地味。

 

10位 ヴィッセル神戸

 ポドルスキを擁して四苦八苦している様子を見ていると、他人事に思えませんw

 三木谷さん、一点豪華主義ではなくて、ポドルスキの相手役にもお金を使わないと!

 神戸はいくら選手を集めても強くなる気がしないので、今後もガンガン海外の有名選手を集めてJリーグを盛り上げてほしいです。

 

11位  FC東京

 これだけ豪華なメンツを揃えて、どうしてこんなに弱いのか?

 森重の離脱も大きいんでしょうね。

 

12位  ベガルタ仙台

 このチームは今後も要注意ですよ。

 戦力に合わせた弱者の戦術をしっかり遂行しているので、まだまだ上にいってもおかしくありません。

 

13位 清水エスパルス

 セレッソはここに負けてしまったのに、あんまり言うのもあれですが、ここ、やばいと思います。

 降格の可能性は、まだあります。

 

14位 北海道コンサドーレ札幌

 J2であんなに強かったのに、この順位。

 やっぱりJ1は厳しいなあ。

 タイ代表のチャナティップとか、小野伸二がいたりして、フロントもがんばっていて、面白いチームなので、なんとかこのままJ1に残留して欲しいところですが、まだ予断を許しません。

 

15位 サンフレッチェ広島

 一時は降格確定かと思われるぐらい沈んでいたのに、急上昇。

 もともとの戦力は悪くないだけに、このまま逃げ切れるか!?

 

16位 ヴァンフォーレ甲府 

 甲府って、決して弱いチームではないんですよね。

 むしろ今年も上位いじめを結構しているし。

 このチームが降格圏って、厳しいリーグだなあ。

 

17位 大宮アルディージャ

 いつまでたっても調子が上がらない大宮アルディージャ

 補強が微妙すぎた結果がそのまま順位に反映されていて、フロントの人災といえなくもないので、なんとも気の毒。

 しかし、秋以降、大宮が急に強くなるというのは定説なので、まだ諦めるのは早いw

 

18位 アルビレックス新潟

 一度J2に落ちたら、上がってくるのが難しそう…。

 J2も悪くないよ、うん。

 

 以上です。

 なんども言うように、セレッソの最近の失速は、状況的、戦力的に極めて妥当なのですが、こういう逆境だからこそ、清武くんですよ。

 君がセレッソに貢献して恩返したいなら、今が最高のチャンスだぞ、と言いたい。

 オレには見える、今後、清武がケタ外れの活躍をして、終盤戦のセレッソにブーストがかかり、他チームのサポが呆然とする様子が!