早いもので、金曜日、Jリーグが開幕した。
去年はつくづく、サッカーとは難しいものだと感じた一年だった。
監督は就任一年目でチーム過去最高成績を上げ、無冠だったチームに初タイトルをもたらせてくれた、文句なしの名監督。
メンバーも前年とほとんど変わらず、プラスアルファの新戦力も加わっていた。
普通に考えれば、一昨年以上の成績か、少なくとも常に上位争いを繰り広げてくれそうなものだが、そうはいかなかった。
成績は一進一退で中位。
カップ戦の成績も芳しくない。
本来、良い成績を残した翌年は残留争いや降格するのが平常運転なチームなので、中位あたりでうろうろできているだけで、十分といえば十分なのだが、一度勝利の味を知ってしまったサポからしてみると、これじゃない感でストレスは募る。
一昨年大ブレークした杉本健勇は不振。
清武はじめ、けが人続出で、メンバーもなかなか揃わない。
そして、監督。
ユン・ジョンシン監督は良く言えばコンセプトのしっかりした、悪く言えばワンパターンで戦術の引き出しの少ない監督だったので、おそらく他チームにしっかり対策されてしまったのも、苦しんだ1つの要因ではなかったか。
他にも誤算はある。
ACLも見据えてとったはずのヤンドンヒョンが大はずれ。
彼がもう少し普通に活躍できていれば、180度全く違ったシーズンになっていてもおかしくなかった。
そんなもやもや感が続く中、秋頃、衝撃の発表が出た。
今シーズンいっぱいで監督退任の決定。
なんでや。
いつから、上位争いできない程度で監督を交代できるようなチームになってん。
ちょっと自分たちの立ち位置を勘違いしすぎとちゃうか?
それまで数シーズン、ハズレ監督を引き続けてきただけに、余計そう思った。
さらにシーズンオフには、セレッソの顔と言える選手も含む、主力の大量流出。
一度は、来シーズンの残留争いも覚悟した。
しかし、オフシーズンが終わり、フタを開けてみれば、代わりの監督は、J2で実績を残した名将ロビーナ。
山口蛍、山村が抜けて手薄になったボランチ候補に神戸から野口直之、仙台から奥埜博亮、アルゼンチン出身のデサバト。
杉本健勇の代わりにブラジル人のブルーノ・メンデス(こいつはまだ未知数だが)と札幌から戸倉と、概ね穴が埋まった。
むしろ外国人の活躍次第では、去年以上のメンツにもなり得るぐらいポテンシャルを秘めている。
後は監督がチームにハマれば、十分に戦えそうだという手応えさえ感じた。
で、開幕戦である。
一応、勝った。
しかし、スコアは1-0で、その1点も、審判の判定次第では取り消されてもおかしくないような得点だった。
皆が褒め称えるように、監督のロビーナの選手交代によって、良い意味で流れが変わった。
とはいえ、1試合ぐらいなら、誰が監督でもそういうことはあろう。
まだ浮かれるのは早い。
だが、それでもこの試合は、今後に期待をもたせてくれる試合だった。
なぜなら、守備がすでに組織的で、しっかりしていたからだ。
これで少なくとも、降格はせずにすみそうだ。
では対戦相手の神戸はどうだったか。
こちらは、開幕前から皆が予想していたような、野球で言う、4番打者を並べたようなバランスの悪いチーム。
大物外国人は攻撃にステータスを全振りして、守備の負担を山口蛍、その他の後ろの選手たちの運動量でカバー。
確かに前半はそれでもなんとかなっていたのだが、時間がたつにつれて、選手たちが疲れてくると、守備がゆるゆるになってしまった。
なんてわかりやすいんだ!
とは言え、結果的に負けてしまったので批判も多いが、神戸もそこまでダメダメなチームでもなかったように思う。
イニエスタとビジャの前線は脅威で(ポドルスキーはちょっと微妙だったが)、ポゼッションもできるチームなので、前半のうちに点が入っていたら、結果は、どうころんだかわからなかっただろう。
まだ神戸の真価を問うのは早いように思える。
サッカーは相手があってのことなので、両チームともこの試合だけで、今年はどれぐらいいけるかを判断するのは難しいのだが、どちらも6~10位ぐらいまでなら、大丈夫、といっていい程度には強いのではないだろうか、というのが今日の感想だ。
今年もいろいろあるだろうけれど、とりあえず、残留してくれれば、良いよ。
頑張れセレッソ!