今週のお題「芸術の秋」
ちょうど、はてなブログの今週のお題が芸術だったので、久しぶりにアート関連を。
見ての通り、油絵でアニメやってますw
途方もない手間がかかるのが容易に想像できる、油絵によるアニメーションですので、予告を見て興味が湧いた人なら、見に行って損はないかと。
映画の冒頭に「この映画は100人以上の画家が参加しています」みたいなことが字幕で出てくるので、最初「おーすげー!」と思ったのですが、よくよく考えてみれば、アニメなんて、それが当たり前で、普通のアニメにいちいち「この映画は100人以上のアニメーターが云々」なんて言いませんよね…、いや、アニメよりいろいろ大変なのはわかるけれどさ。
さすがに全編油絵というわけではなく、過去の回想シーンは実写っぽいです。
この圧倒的な映像体験の前には、ストーリーなんて正直どうでもいいのですが、一応、自殺したと言われているゴッホの死の謎に迫るミステリー仕立てのお話になっています。
これをわざわざ見ようという人に、ゴッホの人生や、彼の絵をあまり知らない人はいないとは思うのですが、主人公がゴッホの死の直前に関わった人たちに、彼の自殺直前の様子を聞いていくスタイルで話が進むので、これを見れば、ゴッホの人生を一通りトレースできます。
ゴッホは本人の人生そのものも込みで、ゴッホという作品みたいなものなので、それを見ているだけでおもしろいのですが、この人のエピソードや周囲の人の証言を聞いていると、本当に教科書通りの典型的な発達障害の人っぽいです。
逆にそう考えると、彼のすべての行動や発言が腑に落ちるというか。
予告編の通り、彼が描いたタンギー爺さんなど、有名な肖像画の人物が、登場人物として多数出演します。
背景もゴッホの名画そのままですので、これを見ると一通りゴッホがわかるという仕組み。
で、肝心の映画としてはどうなのかというと、決してつまらなくはないのですが、ストーリーが今ひとつ盛り上がりに欠けるのと、画面の構図や演出が画一的で平板なので、退屈を感じるのは、覚悟しないといけませんw
これを見ると、普段何気なく見ている、日本やディズニーのアニメの演出が、いかに洗練されているのかがわかります。
この明らかにマイナー感ただよう作品、東京ですらやっているところは少ないのですが、私は御徒町のTOHOシネマズ上野で見ました。
後で知ったのですが、ここ、今月オープンしたばかりだったんですね…。どうりで正直、大して大きくもなければ魅力も乏しい普通の百貨店なのに、妙に混雑しているなあと思ったわけですw
当たり前ですが、最新の自動券売機が充実していたり、座席も綺麗で立派だったりで、快適な映画館でした。
ゴッホの絵が動く、という誰でも思いつきはしても、実現するためのハードルを考えると、なかなかやろうとは思えないことを成し遂げたこの作品(将来AIがもっと発達するれば、うまく省力化して、こういう作品を作ることができる未来は有り得そう、とも思いましたが)、その努力に敬意を表して、ぜひ映画館の大画面で見たいところです。
そんなに長くやっているとも思えない映画ですので、気になった方は、早めに行ったほうが良いですよ。