「君と余だ」に思う。 横山光輝「三国志」 曹操ブックカバーセット前売券を購入

 この夏催される「特別展 三国志」の前売り券を買いました。

 

sangokushi2019.exhibit.jp

 

 なにしろ、場所が東京ですので、実際に行った人の感想などが出てから、行くかどうか、検討するつもりだったのですが、前売り特典の横山光輝ブックカバーのせいで、買わされてしまいました。

 

 ブックカバーは会場で引き換えなので、これで行かざるをえなくなったというw

 

 それにしても、このブックカバーのセレクション、いくら展示の目玉が曹操とはいえ、「君と余だ」のシーンをセレクションするとは、なかなか意表をつかれました。

 

 言うまでもなく、これは、三国志演義の名シーンの一つですから、別にわざわざ奇をてらってマニアックなところをチョイスした、みたいな話ではないのですが、他のエピソードと比べると少しインパクトが弱いので、普段三国志語りをする際、ネタ的に、それほど言及もされにくい傾向があるように感じますし、曹操といえばこのシーン、でここは、なかなか出てこないですよね。

 

 この何気ないシーン、シンプルな分、作品によって、それぞれ微妙にニュアンスが違ってくるので、そこに面白さを感じることもできたりするんですよね。

 

 このシーンを使えば、曹操が同時代の人物をどのように評価しているかをまとめて読者に提示することができるという意味でおいしいしですし、二人の関係性なんかも含めて、作家は、ここが腕の見せどころとも言えるわけで。

 

 たぶん、自分が初めて読んだ三国志演義の小説では、「君と余だ」と言われた劉備が、焦って箸を落としてしまったけれど、ちょうどいいタイミングで雷が鳴ったので、雷に驚いて箸を落としたふりで、小心者アピールをして、それにまんまと曹操が騙されたというものだったと思います。

 

 これが(記憶によると)、横山光輝の漫画だと、もっと大げさに驚いて見せて、机の下に逃げ込むんじゃなかったかな?

 

 ものによっては、曹操劉備の小芝居を、見抜きつつ、相手に合わせたふりをした作品もあったような気がします。曹操だって、そんなにチョロくないよ、みたいに。

 

 三国志ものなんて長らく読んでいませんが、ふと、このシーンだけを読み比べしてみるのも面白いと思いました。

 

 そんなわけで、大阪に戻って数ヶ月しかたっていませんが、さっそく夏の東京遠征の予定が決まってしまいました。